10の質問で親と自分に合った介護方法を知ろう!



 

親の介護、自分はどうするべき?
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親が介護を必要とする年齢になってきて、初めて介護について調べてみると、介護施設やサービスの種類の多さに驚く人もいることでしょう。「自分の親にはどんな介護が最適なのだろう?」と悩んでしまう人もいるのではないでしょうか?

 

そこで今回は、親や自分にとってどんな介護の選択肢があるのか、それを判断するために必要な情報をご紹介します。日本では、40歳になると介護保険への加入が義務付けられています。介護保険に加入すると、被保険者は、介護が必要になったときに、一部の費用負担で介護サービスを受けることができます。介護には大きく分けて「在宅介護」と「施設介護」の2つの方法があります。在宅介護は、自宅で生活しながら介護サービスを受ける方法で、施設介護は介護施設に住みかえて介護サービスを受ける方法です。

 

親に介護が必要になった時、自宅で介護するのがよいか、施設に住みかえたほうが望ましいのかは、親の希望や心身の状態、自分や家族の状況によって変わってきます。そこで、親と自分の状況についての10の質問に回答して、在宅介護と施設介護のどちらがより適しているか確認してみましょう。質問に当てはまる場合は、該当の質問の点数を合計してください。また、質問と同時に、アドバイスもお伝えしていますので、これからの介護について考える参考にしてくださいね。

 

 

■10の質問
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施設介護を検討する場合、本人が住環境の変化にどれくらい適応できるかがポイントとなります。今までに住みかえの経験がある人は、高齢になっても比較的住環境の変化に対応しやすい傾向にあるようです。

 

シニア向け住宅や介護施設のなかには、個室で生活できる住まいもありますが、レクリエーションや食事など、日常のなかで集団生活となる部分が少なからずあります。人見知りで集団生活が苦手な人は施設の暮らしに馴染めず、ストレスを感じてしまうことも少なくありません。見学や体験入居などを通して実際の生活をシミュレーションし、本人が納得したところを選択することが大切です。

 

在宅介護の場合、同居または近居をしていると、不測の事態に対応しやすくなります。親子の住まいの距離が離れていればいるほど、在宅介護は難しく、また負担も大きくなります。

 

個人差はありますが、70歳を超えると体力が落ちていきます。介護は力仕事も多く体力・気力が欠かせません。大切な家族に介護が必要になった際、できるだけ自分の手で介護がしたい気持ちになるでしょう。ですが、介護する側が倒れてしまっては元も子もありませんよね。人に任せることも検討し、負担を軽減させることも大切です。

 

核家族化が進み、介護が必要な親を子が1人で介護するケースも増えています。もし身体的、精神的にきついと感じるようであれば施設介護を検討することも1つの方法です。精神的に追い込まれると冷静な判断ができなくなるため、限界が来る前に親に適した施設探しをすることが重要です。

 

在宅介護の場合、かかる費用は「生活費(居住費・食費・医療費など)」と「在宅介護サービスの利用料」などです。一方、施設介護の場合、入居先の料金体系にもよりますが、入居の際に「入居一時金」といったある程度まとまった費用が必要になり、さらに「家賃」「食費」「管理費」などの月額費用が発生します。施設介護の費用目安は最低月額15万円以上が相場といわれています。

 

1人暮らしの場合、不測の事態に対応できない場合がありますので、もしもに備えておくことが重要です。どのように対応するか、あらかじめ検討しておく必要があります。介護施設への入居や、在宅の場合は見守りサービスの導入を検討しましょう。

 

認知症の症状が進行すると在宅介護が難しくなる場合があります。施設介護を選択することで親を程よい距離感で支えることができます。有料老人ホームの入居者では、過半数が認知症高齢者であることが分かっています。

 

施設介護の最大のメリットは、専門家による介護が24時間体制で受けられることです。介護施設のなかには介護職員のみならず、看護師やリハビリの専門家である理学療法士、作業療法士など、各分野のスペシャリストが在籍している所もあります。また、インスリン投与や胃ろうの管理などの医療的な処置、寝たきりの場合の体位変換など、在宅介護では家族に負担がかかることも安心して任せられます。

 

厚生労働省の調査によると、同居をしながら「要介護3」以上の親を介護している人の多くが、「ほとんど終日」介護をせざるを得ない状況になっていることが分かります。要介護度が上がれば上がるほど、家族の在宅介護の負担は重くなりますので、抱えきれなくなる前に、施設介護を検討することも大切です。

 

以上で、質問は終了です。該当する項目の点数を合算してみてください。合計点数が11点以下の人は、「在宅介護」の方向で検討するとよいでしょう。そして12点以上の人は、「施設介護」の方向で検討を始めることをおすすめします。あくまで目安ですので、介護の選択肢について考える1つのきっかけとし、「在宅介護」と「施設介護」のどちらが合っているのかをご自身なりに検討してみてくださいね。

 

 

在宅介護で利用できる介護保険サービスは5つ
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在宅介護で利用できる介護保険サービスは、大きく分けて5つあります。サービスの利用については、ケアマネジャーという介護の資格を持った専門家が、利用する人の状況や家族の希望、環境を考慮してケアプランを作成。このプランに基づいた介護保険サービスが提供されます。それぞれのサービスについて、詳しくご紹介しましょう。

 

1、施設に通う

自宅から専門の施設に通い、食事や入浴、排せつなどの介助や、リハビリ、栄養管理の指導などを受けるサービスです。主なものとして、通所介護(デイサービス)や通所リハビリなどがあります。

 

2、自宅に訪問してもらう

買い物や掃除、洗濯などの生活支援、食事や入浴、排せつなどの介助、リハビリ、栄養管理の指導などを自宅に訪問した専門のスタッフから受けるサービスです。主なものとして、訪問介護(ホームヘルプ)、訪問入浴、訪問看護、訪問リハビリなどがあります。

 

3、短期間施設に宿泊する(ショートステイ)

一定期間介護施設に宿泊し、食事や入浴、排せつなどの介助や、リハビリ、栄養管理の指導を受けるサービスです。主なものとして、短期入所生活介護や短期入所療養介護などがあります。

 

4、福祉用具をレンタルまたは購入する

利用する人の状況に合った福祉用具の貸し出しや設置、調整などをしてもらったり、貸し出しに不向きな入浴や排せつの際に使用する福祉用具を購入できたりします。

 

5、地域の実情に合わせたサービスを利用する(地域密着型サービス)

高齢化の度合いや介護施設の充実度等、地域の実情に合わせて市区町村が設定するサービスがあります。主なものとして、小規模多機能型居宅介護、認知症型通所介護、夜間対応型訪問介護、定期巡回・随時対応型訪問介護看護などがあります。

 

 

介護保険サービスで利用できる施設は2種類
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▼公的施設

公的施設とは、都道府県や市区町村、社会福祉法人などが運営している施設のことです。補助金で運営されていることから民間施設に比べて利用するときの費用が安く抑えられる場合が多いです。主なものとしては、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、介護老人保健施設(老健)、介護療養型医療施設、介護医療院、地域密着型介護老人福祉施設などがあります。

 

▼民間施設

民間施設とは、介護事業者や医療法人などで運営されている介護施設です。利用者のニーズに応える幅広いサービスを提供している施設が多いのが特徴です。主なものとしては、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)などがあります。

 

 

親や自分の状況に合った介護方法を検討しよう!
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在宅で介護するのがよいのか、施設に入ったほうがよいのかは、多くの人が悩む問題です。親や自分にとって最適な介護を検討するうえで目安にしてもらえるよう10の質問を紹介し、介護保険サービスについて簡単に説明してきましたが、いかがでしたか?まずは、在宅介護か施設介護のどちらが適しているのかを考えてみるとよいでしょう。そのうえで、親や自分に合った介護保険サービスを選んでいくことが大切です。親の介護は、親の心身状態や要介護度、家族の介護力、介護に使えるお金によって、適した方法が異なります。その時によりよい選択ができるように今から知識を持っておくとよいですね。