住宅の用途地域でわかる周辺環境



 

■将来、隣の空地に建つ建物の可能性も見えてくる

公告チラシ下方の、小さな文字の中に記載されている「~地域」の文字。ここには、「用途地域」と呼ばれる、その土地近辺の街並みづくりのルールの区分が記されている。ここを見れば、おおよその周りの住環境がわかり、将来の街並みの予想もつけやすい。現地の隣に大きな空地がある場合、将来なにが建つかによって住環境はずいぶんと左右される。そんなとき、用途地域を見れば、どんな物件が建てられる可能性があるのかのイメージがわきやすい。

 

最近のマンションに多いのは準工業地域。バブル期以降に閉鎖された工場の用途が売却されて、用途の広さから大規模マンションに転用されるケースが多いためだ。だから、近隣の空地は、将来、工場が建つ可能性も否めない。

 

商業地域では、建蔽率・容積率が大きいため、高さのある物件を建てることができる。空いている隣地がある場合は、将来に高い建物が建つ可能性を念頭に置いておくことが大切。では、住居系の地域なら、それほど高さのある物件は建てられないかというと、安心は禁物。たとえば、第二種住居地域ならパチンコ店やカラオケボックス、ホテルの建築が可能になっているから、駅から近い商店街近辺などの立地の場合は留意しておいたほうがいい。

 

なお、土地の購入時には、用途地域の定めなしに「市街化調整区域」となっていないか確認を。名前の通り、市街化を抑制する区域のことだから、原則として住まいの建築は禁止されている。土地を買ってから希望の建物が建てられないことがわかったというトラブルもある。たまに市街化調整区域に建てられた安い建売物件を見かけるが、違法建築の可能性も。軽はずみな購入は避けた方が無難だ。