当初固定金利タイプの本質と心構え



 

■当初固定金利タイプの本質と心構え
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先の銀行の説明には、「そのまま、当行で借り続けてほしい」「その場合、惰性で高めの金利に移行してほしい」という銀行側のバイアスがかかっています。人生最大の契約である住宅ローンを借りるときは、金利に対してナーバスになるのですが、やがてその状況に慣れてしまいます。日々の生活や仕事ではいろいろな問題が起こるので、金利のことを考えなくなるからです。当初の固定期間が終わって変動金利に移行したとき、仮に月に数千円の支払いが増えたとしても、「まあ、払えない金額じゃないし…」となり、惰性でそのまま続けてしまう人が一定数います。まさに、銀行の狙いはそこにあります。一人ひとりの利用者にとって月に数千円なので負担はあまりないかもしれませんが、それが何十年も安定して続くことは銀行にとって大きな利益になるのです。ですから、私たちの取る方針は次のようになります。

 

▼借り続けない

他行への借り換え、多額の繰り上げ返済、家の買い替えを検討

▼高い金利に甘んじない

他行への借り換えをちらつかせての金利交渉を行う

 

「とりあえずビール」はアリですが、「とりあえず当初固定金利」はナシです。最初が肝心です。住宅ローンのプレッシャーも、時を追うごとに薄まっていきます。今決められないことが3年後、5年後、10年後に決められるわけがないのです。